【正解】B
【0からの解説】
①前提知識
VMware(ヴイエムウェア)は、1 台の物理サーバーの上で複数の仮想マシン(VM=ソフトウェアで作った「仮想のコンピューター」)を動かすための製品群です。多くの企業はオンプレミス(自社のデータセンター)で VMware の vSphere(仮想化基盤)、vCenter(管理画面)、vSAN(ストレージ)、NSX(ネットワーク)を使い、日々の運用手順や監視・バックアップのツールもこれらに合わせて作り込んでいます。
Google Cloud VMware Engine は、Google Cloud のデータセンター内に VMware の環境一式(vSphere・vCenter・vSAN・NSX)を専用の物理サーバー上でそのまま提供するフルマネージド サービスです。「クラウドに引っ越しても、中身は今まで使い慣れた VMware のまま」という状態を作れます。
②問題文の要件と制約語の整理
・移行対象は「大規模な VMware 環境」
・「既存の運用プロセスとツールを維持したい」= vCenter での管理や、VMware 向けの既存ツール・手順を変えずに使い続けたい
つまり、アプリや VM を作り直したり、別の仮想化方式に変換したりせずに移行(リホスト=そのまま載せ替え)できるサービスが求められています。
③正解がその要件をどう満たすか
Google Cloud VMware Engine では、オンプレミスと同じ VMware のソフトウェア スタックがクラウド上で動くため、VM をほぼそのまま移せます。管理者は引き続き vCenter で VM を管理でき、VMware 対応の既存の運用ツール(監視・バックアップなど)や手順もそのまま使えます。さらに、ハードウェアの調達や保守は Google が担うため、データセンター運用の負担は減ります。「既存の運用プロセスとツールを維持したまま VMware 環境を移行する」という要件に最も直接合致するのが B です。
【誤りの選択肢】
A:Compute Engine は Google Cloud の汎用的な仮想マシン サービス(IaaS)です。VMware の VM を移すことは可能ですが、その場合は VM を Compute Engine 形式に変換する必要があり、管理画面も vCenter ではなく Google Cloud コンソールになります。VMware 向けの既存ツールや運用手順はそのままでは使えなくなるため、「既存の運用プロセスとツールを維持する」という要件を満たしません。
C:VMware vSphere は VMware 社の仮想化ソフトウェアそのものであり、Google Cloud のサービスではありません。問題は「どの Google Cloud サービスを使うべきか」を問っているので不適切です(vSphere は VMware Engine の中で提供される構成要素の一つです)。
D:Bare Metal Solution は、Oracle データベースなど特殊なライセンスや性能要件を持つワークロードのために、仮想化されていない専用の物理サーバーを Google Cloud の近くで提供するサービスです。VMware の環境一式(vCenter など)が用意されるわけではなく、VMware の運用ツールをそのまま使い続けるという目的には向きません。
【参考】
プロダクトとサービスCompute Engine の概要