【正解】C
【0からの解説】
要件は (1) トランスポートに関係なく WAN トラフィックを暗号化、(2) 帯域容量に影響を与えない、の 2 点です。
暗号化の選択肢は大きく 2 つあります。
・IPsec VPN(Site-to-Site VPN を Direct Connect 上に張る): 暗号化できますが、IPsec のオーバーヘッドと VPN 終端のスループット上限(AWS 側 VPN トンネルは 1 トンネルあたり最大約 1.25 Gbps)により、10 Gbps の帯域をフルには活かせず「帯域に影響を与えない」要件に反します。
・MACsec(MAC セキュリティ): レイヤー 2 で回線そのものを回線速度(ラインレート)で暗号化する技術で、Direct Connect の専用接続でサポートされます。ハードウェアで処理するため帯域への影響がほぼなく、10 Gbps をフルに暗号化できます。よって本要件には MACsec が最適です。
ここで重要なのが、MACsec は「接続(ポート)」が MACsec 対応である必要があるという点です。既存の Direct Connect 接続が MACsec 非対応の場合、設定変更だけでは有効化できません。MACsec をサポートする新しい Direct Connect 接続をプロビジョニングし、既存の VIF をその新接続に移行(関連付け)する必要があります。これが選択肢 C であり、正解です。
【誤りの選択肢】
A:パブリック VIF 経由で Site-to-Site VPN を張る構成は、IPsec のトンネルスループット上限により 10 Gbps の帯域をフルに使えず、「帯域容量に影響を与えない」要件を満たせません。
B:MACsec を使う方向性は正しいものの、「既存の接続のポートで MACsec を構成する」とあります。MACsec は接続が MACsec 対応ハードウェアでなければ有効化できず、既存接続が非対応なら設定変更(must_encrypt への変更)だけでは実現できません。MACsec 対応の新規接続が必要なため C が正しい表現です。
D:パブリック VIF を作りつつ「プライベート IP VPN」を構成するという記述で、構成として整合性がありません。プライベート IP VPN(Direct Connect 上の VPN)は transit VIF と Direct Connect ゲートウェイ経由で構成するもので、いずれにせよ IPsec のため帯域上限の問題が残り、要件を満たしません。
【参考】
AWS Direct Connect の MACsec (MAC セキュリティ)MACsec の前提条件