【正解】A、D
【0からの解説】
要件を整理すると、(1) 8 つの VPC(2 リージョンにまたがる)間の相互接続、(2) 移行中のオンプレミス〜AWS のセキュアな接続、(3) VPC 間トラフィックのスパイクに耐える、(4) 1 週末で迅速に構築、(5) 長期的な運用・人的コストを最小化、です。
■ VPC 間接続には Transit Gateway(A)
AWS Transit Gateway は、多数の VPC・VPN・Direct Connect をハブ&スポーク型で集約接続する中央ハブです。8 個の VPC をフルメッシュで VPC ピアリングすると、必要なピアリング数は n(n-1)/2 = 8×7/2 = 28 本となり、各 VPC のルートテーブル管理が爆発的に複雑化します。Transit Gateway なら各 VPC を 1 回アタッチするだけで全 VPC が相互接続でき、ルート管理も中央集約されるため運用コストが最小です。さらに Transit Gateway Peering を使えば us-east-1 と us-west-2 のリージョン間も接続できます。同期時のトラフィックスパイクにも Transit Gateway は十分なスループットでスケールします。
■ オンプレミス〜AWS のセキュアな接続には Transit Gateway VPN アタッチメント(D)
「1 週末で技術的に可能な限り早く」という要件が決定的です。AWS Direct Connect の物理回線の新規プロビジョニングは数週間〜数か月かかるため、週末の移行には間に合いません。一方、AWS Site-to-Site VPN(IPsec)は既存のインターネット回線(各 DC の 1 GbE×2)の上に数分〜数時間で構築でき、暗号化されたセキュアな接続を提供します。これを Transit Gateway の VPN アタッチメントとして接続すれば、各データセンターからの VPN がそのまま全 VPC に到達できます。アタッチメントは各データセンターにつき 1 つで済むため、構成も運用もシンプルです。
したがって A(Transit Gateway で VPC 間接続)と D(DC ごとに Transit Gateway VPN アタッチメント)の組み合わせが最適です。
【誤りの選択肢】
B:8 VPC のフルメッシュ VPC ピアリングは 28 本必要で、ルートテーブル管理が極めて煩雑になり、長期的な運用・人的コストを最小化する要件に反します。また VPC ピアリングは推移的ルーティング非対応のため、ハブ集約のメリットも得られません。
C:Direct Connect の専用線を 2 本新規プロビジョニングするには通常数週間〜数か月かかり、「1 週末で迅速に」という要件を満たせません。移行フェーズの暫定接続としては VPN が適切です。
E:各データセンターと「各 VPC」に Site-to-Site VPN を張る構成は、2 DC × 8 VPC で多数の VPN トンネルを個別管理することになり、運用コストが膨大です。Transit Gateway に VPN アタッチメント(D)すれば DC あたり 1 接続で全 VPC に到達でき、はるかに効率的です。
【参考】
AWS Transit Gateway とはTransit Gateway の VPN アタッチメント