【正解】B
【0からの解説】
①前提知識
・VPC ネットワーク ピアリングは、2 つの VPC(別プロジェクト・別組織でも可)を Google の内部ネットワークで接続し、内部 IP で通信できるようにする機能です。各 VPC は独立して管理され、それぞれの管理者が自分の VPC のサブネット・ルート・ファイアウォールを管理できます。ピアリング自体に料金はかからず、ゲートウェイなどの追加リソースも不要です。
・共有 VPC は、ホスト プロジェクトの VPC をサービス プロジェクトに共有する仕組みで、ネットワークの管理権限はホスト プロジェクト側(中央のネットワーク チーム)に集中します。
・roles/compute.networkUser(ネットワーク ユーザー)は、共有 VPC のサブネットなどを「使う」だけのロールで、ネットワークを作成・変更する権限はありません。roles/compute.networkAdmin(ネットワーク管理者)は、VPC・サブネット・ルート・ピアリングなどのネットワーク リソースを作成・変更・削除できるロールです(ファイアウォール ルールや SSL 証明書の管理は compute.securityAdmin の範囲)。
②要件と制約語の整理
・新しい事業部のネットワーク チームが自分たちのネットワークを「完全に制御」できること
・全事業部のワークロードが相互に通信できること
・「余分なコストを避ける」
・「不必要な権限を付与しない」(既存 VPC の管理権限は渡さない)
③正解の理由
新しいプロジェクトに新しい VPC を作り、既存の VPC とピアリングすれば、追加料金なしで相互通信できます。新しい事業部には「新しいプロジェクトに対する」networkAdmin だけを付与するので、自分たちの VPC は自由に管理でき、既存の VPC には権限が及びません。完全な制御・コスト回避・最小権限をすべて満たします。
【誤りの選択肢】
A:構成はピアリングで問題ありませんが、付与しているのが networkUser のため、新しい事業部のネットワーク チームは自分たちの VPC やサブネットを作成・変更できず、「完全に制御する」要件を満たしません。
C:共有 VPC のサブネットに networkUser を付与するだけでは、サブネットを使えるだけでネットワークの制御権はホスト プロジェクト側に残ります。「ネットワーク インフラストラクチャを完全に制御する」要件を満たしません。
D:権限の付与は B と同じで要件を満たしますが、VPC 間を VPN で接続すると、VPN ゲートウェイとトンネルの料金や VPN 経由の通信料が発生し、帯域もトンネルあたり約 3 Gbps に制限されます。無料のピアリングで済むところに余分なコストをかけるため、「余分なコストを避ける」要件に反します。
【参考】
VPC ネットワーク ピアリング | Virtual Private Cloudネットワーク関連ジョブ機能の IAM ロール | Identity and Access Management (IAM)共有 VPC | Virtual Private Cloud