【正解】B
【0からの解説】
①前提知識:Google SecOps(旧 Chronicle)には「エイリアス(aliasing)とデータ拡充(enrichment)」の仕組みがあります。ユーザーを表す識別子はログソースによってばらばらで、EDR のイベントには Windows SID やメールアドレスしかなく、Windows イベントログには DOMAIN\ユーザー名の形式しかない、といったことがよくあります。Google SecOps は、ID 基盤から取り込んだユーザー コンテキスト(エンティティ コンテキスト、USER_CONTEXT。例:Microsoft Entra ID(旧 Azure Active Directory)や Active Directory のユーザー情報)を使って、userid(USERNAME)・email・windows_sid・employee_id・product_object_id などの識別子を同じユーザーとして紐付け(ユーザー エイリアス)、イベントの principal.user などのフィールドを拡充します。
②要件の整理:ルールは principal.user.userid で照合していますが、EDR と Windows イベントログの中にはこのフィールドが入っていない、あるいは別の形式の識別子しか持たないエントリがあり、「すべての可能なログエントリ」に一致させたいという要件です。必要なのは新たなイベントログではなく、既存のログのユーザー識別子を相互に結び付けるための ID 情報源です。
③正解の理由:B の Microsoft Entra ID を取り込むと、ユーザーのメールアドレス、ユーザー名、オブジェクト ID、(同期環境では)オンプレミスの SID などの属性が Google SecOps に入り、ユーザー エイリアスとデータ拡充によって、EDR や Windows イベントのエントリに対しても principal.user.userid を含むユーザー情報が補完されます。その結果、識別子の種類が異なるエントリもルールで照合できるようになります。
【誤りの選択肢】
A:Windows Sysmon はプロセス生成・ネットワーク接続などのエンドポイント イベントを追加するログソースです。「Windows 端末のログを増やせば照合できるエントリも増える」と考えて選びたくなりますが、Sysmon を足しても増えるのはエンドポイントのイベントの数だけで、ユーザー識別子は統一されません。Sysmon のイベントに入るのも端末上のユーザー名(DOMAIN\ユーザー名の形式など)だけで、EDR 側の SID やメールアドレスと「同じ人物である」と結び付ける情報は含まれていません。既存の EDR や Windows イベントログのエントリに欠けている principal.user.userid を補完するには、識別子どうしの対応関係を持つ ID 基盤(Microsoft Entra ID など)のユーザー コンテキストが必要です。
C:PowerShell のログはスクリプト ブロックなどのイベントを追加するだけで、他のログソースのユーザー識別子を紐付ける ID 情報は提供しません。
D:Procmon(Process Monitor)は端末上でのトラブルシューティング用の対話型ツールで、SIEM に継続的に取り込むログソースとしては一般的でなく、ユーザー識別子の補完にも役立ちません。
【参考】
データ拡充とエイリアスの概要 | Google Security OperationsMicrosoft Entra ID(旧 Azure Active Directory)のログインログを収集する | Google Security Operations