【正解】C
【0からの解説】
①前提知識:
・Vertex AI(現 Gemini Enterprise Agent Platform):Google の生成 AI モデル Gemini などを API で利用できるプラットフォームです。
・Model Armor:生成 AI アプリケーションのプロンプト(入力)とレスポンス(出力)を検査・サニタイズするフルマネージド サービスです。プロンプト インジェクションやジェイルブレイクの検出、悪意のある URL の検出、責任ある AI(RAI)フィルタに加え、Sensitive Data Protection(旧 Cloud DLP)の機能を組み込んで、プロンプトやモデルの回答に含まれるクレジットカード番号や個人情報などの機密データを検出・秘匿化・ブロックできます。Gemini Enterprise Agent Platform と直接統合でき、フロア設定で組織・フォルダ・プロジェクト単位に最低限の保護を強制することもできます。
・Security Command Center(SCC):Google Cloud のセキュリティ リスクと脅威を一元的に可視化するサービスです。AI 保護(AI Protection)機能では、Model Armor を有効にして AI 関連のコンポーネントと統合すると、Model Armor の検出結果を SCC で調査できます。
②要件の整理:対象は「Gemini を使う生成 AI ワークロード」で、求められているのは情報漏洩の「防止(prevent)」と「検出(detect)」の両方です。生成 AI 特有の情報漏洩の経路には、利用者が機密情報をプロンプトに入れてしまう、プロンプト インジェクションで機密情報を引き出される、モデルの回答に機密情報が含まれてしまう、といったものがあります。
③正解の理由:Model Armor を Gemini の前段(Gemini Enterprise Agent Platform との統合、またはアプリケーションからの API 呼び出し)に配置すれば、プロンプトとレスポンスをリアルタイムに検査し、機密データの流出やインジェクション攻撃を「防止」できます。さらにその検出結果を SCC の AI 保護で一元的に確認することで、「検出」と対応まで行えます。防止と検出の両方を、生成 AI 向けに設計されたマネージド機能で満たしているのは C です。
【誤りの選択肢】
A:VPC Service Controls は API 経由のデータ持ち出し(境界外へのコピーなど)を防ぐ重要な制御で、Model Armor と併用する価値はあります。しかし正規の利用者がプロンプトやレスポンスを通じて機密情報を漏らすケースは防げません。また「Data Loss Prevention API を有効にする」だけでは何も検査されず、プロンプト/レスポンスに検査を組み込む処理を自前で実装する必要があります。漏洩を検出・可視化する仕組みも示されておらず、生成 AI 向けの防止と検出を備えた C に劣ります。
B:Vertex AI ユーザーのロールの付与は「誰が使えるか」を決める認可であり、情報漏洩そのものを防止する制御ではありません。監査ログをモニタリングしても API 呼び出しの記録が残るだけで、プロンプトやレスポンスに含まれる機密データを検出・ブロックすることはできません。
D:すべてのトラフィックを許可するファイアウォール ルールはセキュリティを弱める設定であり、情報漏洩の防止にも検出にもなりません。そもそも Vertex AI の API は Google マネージド サービスで、VPC ファイアウォール ルールでやり取りの内容を検査することはできません。
【参考】
Model Armor の概要Model Armor を Gemini Enterprise Agent Platform と統合するAI 保護の概要 | Security Command Center