【正解】A
【0からの解説】
①前提知識
・Private Service Connect(PSC)は、サービスを提供する側(プロデューサー)が内部ロードバランサの背後にあるサービスを「サービス アタッチメント」として公開し、利用する側(コンシューマー)が自分の VPC 内の内部 IP アドレス(PSC エンドポイント)経由でそのサービスに接続できる仕組みです。通信は Google のネットワーク内で完結し、インターネットを経由しません。VPC ピアリングのように双方のネットワーク全体をつなぐのではなく、「特定のサービスだけ」を一方向に公開できるのが特長です。
・サービス アタッチメントの接続設定には「自動承認」と「明示的な承認」があり、明示的な承認ではコンシューマーの承認リスト(プロジェクト、VPC ネットワーク、または個々のエンドポイント単位)に載っているコンシューマーからの接続だけを受け入れます。Google はこの明示的な承認を推奨しています。
・内部アプリケーション ロードバランサは内部 IP アドレスだけを持つ L7 のロードバランサで、インターネットからは到達できません。
②要件と制約語の整理
・機密性の高いモデルを「インターネットから厳格に隔離」する。
・エンドポイントを「組織内のあらかじめ定義されたプロジェクトのリストにのみ」公開する。
③正解の理由
A は、モデルのエンドポイントを内部アプリケーション ロードバランサの背後に置いてインターネットに露出させず、そのロードバランサを PSC のサービス アタッチメントとして公開し、承認リストに登録したプロジェクトからの接続だけを受け入れます。インターネットからの隔離と、定義済みのプロジェクトだけへの限定公開という2つの要件を、ネットワーク全体を接続せずに満たす、Google が推奨するプロデューサー / コンシューマー型の構成です。
補足: Vertex AI(現 Gemini Enterprise Agent Platform)のオンライン推論でも、PSC に基づく専用のプライベート エンドポイントを作成し、接続を許可するプロジェクトのリスト(projectAllowlist)を指定できます。考え方は A と同じく「PSC +許可リスト」です。
【誤りの選択肢】
B:限定公開の Google アクセスは、外部 IP アドレスを持たない VM が Google の API(storage.googleapis.com など)に到達するための機能です。社内の特定のプロジェクトにデプロイしたモデルのエンドポイントを、指定したプロジェクトにだけ公開する仕組みではなく、公開先のプロジェクトを限定する制御もできません。
C:共有 VPC は、複数のプロジェクトで1つの VPC ネットワークを共有する構成です。「他のすべてのプロジェクト」に同じネットワークを提供すると、モデルは広くネットワーク到達可能になり、定義済みのプロジェクトだけに限定するという要件に反します。また既存プロジェクトのネットワーク構成を大きく作り替える必要があり、目的に対して過大です。
D:外部アプリケーション ロードバランサはインターネットに公開された IP アドレスを持つため、「インターネットから厳格に隔離する」という要件に真っ向から反します。Cloud Armor で「Google Cloud の IP アドレス」に制限しても、Google Cloud 上の他の顧客を含めて誰でもそれらの IP アドレスを使えるため、特定のプロジェクトに限定したことにはなりません。
【参考】
Private Service Connect を使用してサービスを公開する | Virtual Private Cloud公開サービスへのアクセスの制御について | Virtual Private Cloudオンライン推論に Private Service Connect に基づく専用プライベート エンドポイントを使用する