【正解】D
【0からの解説】
①前提知識
・Backup and DR サービスは、Compute Engine インスタンス、Compute Engine ディスク(Persistent Disk)、Cloud SQL などのバックアップを一元管理する Google Cloud のマネージド サービスです。
・バックアップ プラン:バックアップの頻度(例: 毎日)、保持期間、保存先を定義したポリシーです。保護したいリソースにプランを適用すると、以降のバックアップは自動的に実行されます。
・バックアップ ボールト(Backup Vault):バックアップを保存する専用のストレージ リソースです。作成時に「最小適用保持期間」(1 日〜99 年)を設定でき、その期間が終わるまでバックアップは管理者や Google を含め誰にも変更・削除できません(変更不可・削除不可)。また、バックアップ ボールトを保護対象とは別の管理用プロジェクトに置く「一元管理モデル」を取ることで、本番プロジェクトとは別のアクセス制御のもとでバックアップを保管できます。
・ボールトに保存されたバックアップはゾーンに依存しないため、元のゾーンで障害が発生しても別のゾーンやリージョンに復元できます。
②要件の整理
・ゾーン障害からの保護(バックアップがゾーンの外にあること)。
・バックアップは少なくとも 90 日間保持。
・アクセスが制限された「別のプロジェクト」に保存。
・「完全に自動化」かつ「運用のオーバーヘッドを最小限」→ スクリプトや手作業を含まないマネージドな方式が望ましい。
③正解が要件をどう満たすか
D では、Backup and DR のバックアップ プランで日次バックアップを自動的に取得し、最小適用保持期間を 90 日に設定したバックアップ ボールトへ保存します。ボールトは別プロジェクトに作成してアクセスを限定でき、保持期間中は削除できないため、90 日保持のポリシーを技術的に強制できます(ランサムウェアや誤削除への備えにもなります)。スケジュール、保持、保存先の管理がすべてマネージドで自動化されるため、運用のオーバーヘッドも最小です。
【誤りの選択肢】
A:スクリプトによる自作のバックアップは、作成・保守・失敗時の監視が必要で、運用のオーバーヘッドが大きくなります。ラベルは削除日を「示す」だけで、自動的な削除や保持の強制は行われません。さらに、別プロジェクトへの保存という要件も満たしていません(なお、スナップショットはもともとリージョンまたはマルチリージョンに保存されるため、「別のゾーンにコピー」という操作自体が的外れです)。
B:Persistent Disk のスナップショットは Compute Engine が管理するリソースであり、Cloud Storage バケットにオブジェクトとして保存する仕組みはありません。また、gcloud コマンドを手動または独自に実行する方式は完全な自動化とは言えず、別プロジェクトに保存するという要件にも触れていません。
C:スナップショット スケジュールで取得を自動化する点は適切ですが、B と同様にスナップショットを Cloud Storage バケットへ「移動」することはできません。追加のスクリプトが必要になる点で運用負荷も増え、別プロジェクトでのアクセス制限や 90 日間の保持の強制も実現されていません。
【参考】
変更不可・削除不可のバックアップ用の Backup Vault | Backup and DRディスクをバックアップ Vault にバックアップする | Backup and DRバックアップ プランの概要 | Backup and DR