【正解】C
【0からの解説】
①前提知識
・Prometheus は、オープンソースのモニタリング ツールです。監視対象から指標(メトリクス)を収集(スクレイプ)して時系列データとして保存し、PromQL で照会したりアラートを出したりします。ただし自前で運用する場合、ストレージ容量、長期保存、高可用性、複数クラスタや複数クラウドにまたがる統合(フェデレーション)などをすべて自分で設計・運用する必要があり、規模が大きくなるほど運用負荷が増大します。
・Google Cloud Managed Service for Prometheus は、Prometheus(および OpenTelemetry)の指標を扱う、Google Cloud のフルマネージドでマルチクラウド・プロジェクト横断のソリューションです。Google 自身の監視に使われているグローバル スケールのデータストア Monarch 上に構築されており、データを 24 か月保持し、ハイブリッド クラウドとマルチクラウドに対応しています。全データを PromQL で照会でき、既存の Prometheus の構成、エクスポータ、ルール、Grafana ダッシュボードを生かしたまま移行できます。収集方式として、GKE 向けのマネージド収集と、GKE 以外の Kubernetes や他のクラウドでも使えるセルフデプロイ収集などを選べます。
②問題文の要件と制約語の整理
・環境: 高度に分散したハイブリッド / マルチクラウド。
・開発者は Prometheus に大きく依存 → Prometheus の使い方(PromQL など)を維持したい。
・「クラウドベース」「拡張性が高い」「メンテナンスの手間が少ない(運用負荷が小さい)」「エンタープライズ向け」。
・PromQL クエリ、指標のすばやい表示、効率的な問題の診断。
③正解がその要件をどう満たすか
Managed Service for Prometheus を使えば、開発者は PromQL や既存のエクスポータ・ルールといった Prometheus のワークフローをそのまま使い続けられ、データの保存・スケーリング・長期保持・高可用性は Google が管理します。ハイブリッド / マルチクラウドの指標を 1 か所に集約して照会でき、Cloud Monitoring のダッシュボードやアラートとも統合されるため、指標のすばやい表示と効率的な問題診断も実現できます。自前運用が不要なので「メンテナンスの手間が少ない」要件も満たします。
【誤りの選択肢】
A:Prometheus Operator は、Kubernetes 上に Prometheus を自前でデプロイ・管理するためのツールです。各環境の Prometheus サーバーのストレージ、スケーリング、高可用性、長期保存、環境をまたいだクエリなどをすべて自分で運用する必要があり、「クラウドベースで拡張性が高く、メンテナンスの手間が少ない」という要件に反します。また Operator は Kubernetes 向けの仕組みで、サーバーレス環境にそのまま適用できるものでもありません。
B:Cloud Monitoring は Google Cloud の監視基盤ですが、「単一の管理画面として設定する」だけでは、開発者が依存している Prometheus の指標をどう収集し、PromQL ベースのワークフローをどう維持するのかが示されていません。Prometheus の指標を Prometheus 互換のまま大規模に取り込むための具体的なサービスが Managed Service for Prometheus であり(その指標は Cloud Monitoring の基盤に保存されます)、要件に最も直接対応するのは C です。
D:SaaS ベースの Prometheus 互換ソリューションを自社で「構築」するのは、開発と運用の負担が最も大きい選択肢です。既に提供されているマネージド サービスで要件を満たせるため、「メンテナンスの手間が少ない」という要件に反します。
【参考】
Google Cloud Managed Service for Prometheus Observabilityハイブリッド クラウドとマルチクラウドのモニタリングおよびロギング パターン