【正解】C
【0からの解説】
① 前提知識・
Network Service Tiers(ネットワーク サービス ティア): Google Cloud のネットワーク品質の選択肢です。
Premium Tier(デフォルト)では、トラフィックが可能な限り Google の高品質なグローバル バックボーン上を通り、ユーザーや拠点に最も近い Google のエッジから出入りするため、低レイテンシで安定した通信になります。
Standard Tier はコストを優先し、トラフィックを一般のインターネット(ISP の網)経由でリージョンまで運ぶため、性能と安定性は Premium より劣ります。
・
選択肢の「Premium Tier の VPC」「Standard Tier の VPC」という表現の読み替え: 実際の Google Cloud では、VPC ネットワーク自体にティアの設定項目はありません。ティアは
プロジェクト単位(そのプロジェクトの既定ティア)と
リソース単位(外部 IP アドレス、ロードバランサの転送ルール、VM インスタンスなど。両方設定した場合はリソース単位の設定が優先)で指定します。また、ティアが効くのは外部 IP アドレスを使うインターネット向けの通信で、VPC 内で内部 IP アドレスを使う通信は常に Premium Tier 相当の Google のネットワーク基盤を通ります。したがって本問の「〇〇 Tier の VPC を作成する」は、「その VPC を置くプロジェクトの既定ティアと、VPC 内のリソースの外部 IP アドレスを〇〇 Tier で構成する」という意味、つまり「ネットワーク全体を性能重視の Premium でそろえるか、コスト重視の Standard にするか」という設計方針の選択と読み替えて解きます。
・
Cloud Interconnect: オンプレミス拠点と Google Cloud の VPC を、公共のインターネットを経由せずに接続するサービスです。物理回線を直接引き込む
Dedicated Interconnect(10 Gbps / 100 Gbps 回線)と、サービス プロバイダ経由の
Partner Interconnect(50 Mbps〜50 Gbps)があり、契約した帯域が確保され、冗長構成をとれば SLA(最大 99.99%)で可用性が保証されます。VPC の内部 IP アドレスで直接通信でき、VLAN アタッチメントと Cloud Router を通じて、リージョン内のサブネットへ経路が広告されます。
・
Direct Peering(ダイレクト ピアリング): Google のエッジ ネットワークと直接 BGP ピアリングを行い、Google Workspace や Google API の
公開 IP アドレスへのトラフィックを効率化する仕組みです。Google Cloud の外側にある仕組みで、VPC 内のプライベート IP へは到達できず、SLA もありません。
② 要件と制約語の整理・ケーススタディには「製造工場へのネットワーク接続が課題」「工場と本社の間の接続性を改善するネットワークのアップグレードが必要」「ハイブリッド クラウド戦略を採用」とあります。
・問題文の制約語は「
帯域幅の保証(guaranteed bandwidth)」と「
低レイテンシ」です。
③ 正解 C が要件をどう満たすか・
Cloud Interconnect は契約した容量の専用 / パートナー接続を提供し、SLA に裏付けられた安定した帯域で工場と VPC を内部 IP で結べます。インターネットの混雑の影響を受けないため「帯域幅の保証」を満たします。
・
Premium Tier により、Google Cloud 側のトラフィックが Google のグローバル バックボーン上を通るため、レイテンシが最小化されます。
・各工場の最寄りのリージョンにサブネットを置き、そのリージョンで Interconnect を終端することで、工場から Google Cloud リソースまでの物理的な距離も短くなり、低レイテンシ要件を補強します。
【誤りの選択肢】
A:Cloud Interconnect の選択は正しいものの、Standard Tier はコストを優先してトラフィックを一般のインターネット経由で運ぶティアで、レイテンシと安定性は Premium Tier より劣ります。「低レイテンシ」の要件を最大限に満たす設計とは言えません。
B:Direct Peering は Google Workspace や Google API の公開 IP 向けの接続で、VPC 内のリソースへプライベートに接続する手段ではなく、SLA もないため帯域幅を保証できません。加えて Standard Tier では低レイテンシ要件も満たしにくく、二重に要件を外しています。
D:Premium Tier の選択は適切ですが、Direct Peering は帯域保証や SLA がなく、VPC 内のプライベート リソースへも到達できないため、「工場と Google Cloud リソースの間の帯域保証」という要件を満たせません。Google は Google Cloud リソースへのハイブリッド接続には Cloud Interconnect または Cloud VPN を推奨しています。
【参考】
Cloud Interconnect の概要ダイレクト ピアリングの概要 | Network ConnectivityNetwork Connectivity プロダクトの選択