【正解】D
【0からの解説】
①前提知識:Customer Engagement Suite の選択肢を見分けるときは、「その製品が会話に対して何をするか」で考えると迷いません。会話を受け付けて振り分ける土台が CCaaS、顧客と自分で話すのが Conversational Agents(現 CX Agent Studio)、話している人間の横で助けるのが Agent Assist、そして終わった会話をまとめて振り返るのが Conversational Insights(旧 Contact Center AI Insights、現 Customer Experience Insights)です。この問題で重要なのは最後の「振り返る」役割です。Conversational Insights は、音声通話の文字起こしやチャットの記録を取り込み、次のような分析を行います。
・感情分析:顧客やオペレーターの発言がポジティブ / ネガティブのどちらに傾いているかを数値化する。
・トピック モデリング:大量の会話を自動で分類し、「何についての問い合わせが多いか」(問い合わせ理由)を洗い出す。
・ハイライトや品質評価(Quality AI):注目すべき発言の抽出や応対品質の採点を行う。
・BigQuery や Looker へのエクスポート:分析結果を BI ツールで集計・可視化する。
取り込む会話はボットが応対したものでも人間が応対したものでも構いません。
②問題文の要件:決め手は「既存の会話データを分析して」という一文です。これは、いま進行中の会話に手を出すのではなく、すでに蓄積された会話を後からまとめて調べる、という意味です。そのうえで「傾向の把握」「よくある問題の特定」「顧客感情の測定」は、それぞれトピック モデリングと感情分析で得られる結果に当たります。また「チャットボットとライブ エージェントの両方」とあるため、どちらの会話も分析対象にできることも条件です。
③正解の理由:上の要件はすべて「会話の事後分析」に集約され、それを担う唯一のコンポーネントが Conversational Insights です。ボットと有人の会話をまとめて取り込み、問い合わせ理由の分布や感情の変化をビジネス インテリジェンスとして経営や業務改善に渡せるため、D が最も適しています。
【誤りの選択肢】
A:Agent Assist も会話の中身(要約や回答候補)を扱うため紛らわしいですが、その対象は「いまオペレーターが対応している 1 件の会話」です。数千件の会話を横断して傾向や感情の推移を集計する機能ではなく、またボットだけで完結した会話は支援の対象外です。
B:Contact Center as a Service は、電話・チャットなどのチャネルを受け付けてオペレーターに振り分ける運用基盤です。会話データは基盤を通過しますが、それを分析してインサイトを出すのは基盤自体の役割ではなく、分析は別途 Insights で行います。
C:Conversational Agents は顧客との会話そのものを自動化する仮想エージェントを作るためのものです。チャットボット側の会話を生み出す製品であり、生まれた会話を分析して改善点を見つける製品ではありません。
【参考】
Dialogflow CX のドキュメント自然言語処理とは