Learn のモジュールから無料で起動できたサンドボックスは 2025 年 9 月に終了しました。 AZ-104 などの試験対策で「手を動かす場所」を失った方へ、現実的な代替手段を費用と注意点つきで整理します。
これまで Microsoft Learn の一部モジュールには、無料の一時的な Azure 環境(サンドボックス)が付属しており、 自分のサブスクリプションを持たなくてもポータル操作を試せました。この仕組みが 2025 年 9 月に廃止され、 現在 Learn は読む教材としては引き続き優秀なものの、実機演習の環境は自前で用意する必要があります。
AZ-104(Azure Administrator)をはじめとする管理者系・アーキテクト系の試験は、 ポータルの操作手順や設定値を問う問題が多く、実機経験の有無が得点に直結します。 以下、実機演習を続けるための現実的な選択肢を4つ、費用と注意点つきで比較します。
| 方法 | 費用 | 向いている人 |
|---|---|---|
| ① Azure 無料アカウント($200 クレジット) | 実質無料(30日間) | 短期集中で終えられる人 |
| ② 自分のサブスクリプションで従量課金 | 月 3,000〜10,000 円程度(使い方次第) | 業務でも使う人・長期で学ぶ人 |
| ③ 会社の検証環境・Visual Studio サブスクリプション特典 | 無料(付与されていれば) | 所属企業に環境がある人 |
| ④ 環境払い出し型の学習サービスを使う(CloudDo など) | 月額課金(CloudDo Pro は ¥4,980/月) | 課金の心配なく、試験範囲を体系的に演習したい人 |
新規登録から 30 日間使える $200 分のクレジットと、12 ヶ月無料枠・常時無料枠が付与されます。クレジットカードの登録は必要ですが、クレジットを使い切るか 30 日が過ぎても、従量課金へ明示的にアップグレードしない限り課金は始まりません。
注意点は2つあります。第一に 30 日という期限。AZ-104 の学習期間は 1〜3 ヶ月が一般的なので、演習期間がクレジットの有効期間に収まるよう学習計画側を合わせる必要があります。第二に、1 人 1 回までなので「使い切ったのでもう一度」はできません。
期限や回数の制約がなく、実務にそのまま近い環境で学べるのが利点です。試験範囲を超えた検証も自由にできます。
最大のリスクは消し忘れによる想定外の課金です。VM 1 台なら小さな金額でも、ExpressRoute・Firewall・Application Gateway など時間課金の高いリソースを放置すると、月数万円に達することがあります。予算アラート(Cost Management の Budgets)の設定と、リソースグループ単位で作って演習後にまとめて削除する習慣が事実上必須です。
勤務先が Visual Studio サブスクリプション(旧 MSDN)を契約していれば、月 $50〜150 の Azure クレジットが特典として付いていることがあります。会社の検証サブスクリプションを使わせてもらえるケースもあります。
ただし会社のテナントでは権限が絞られていて、ロール割り当てや Entra ID 周りなど AZ-104 の頻出操作を試せないことが多い点に注意が必要です。ポリシーで作成できるリソースが制限されている場合もあります。
学習サービス側が Azure 環境を払い出す方式です。本記事を公開している CloudDo もこの方式で、ボタンひとつで学習専用のサンドボックスが起動し、Azure の利用料はすべて月額に含まれます。終了後は自動で削除されるため、消し忘れ課金が構造的に発生しません。
Learn のサンドボックスと違い、認定試験の出題範囲に沿ったカリキュラム(Azure 66 本・AWS 54 本のラボ)になっていて、リソースを正しく作れたかをシステムが自動判定します。ハンズオンラボ 1 本は会員登録だけで無料で試せます。
手前味噌になるため公平に書くと、月額が発生する点と、演習は用意されたラボの範囲が中心になる点がトレードオフです。完全に自由な検証がしたい場合は②が向いています。
CloudDo では、会員登録だけで本物の Azure 環境が起動するハンズオンラボを 1 本、45 分間無料でお試しいただけます。 クレジットカードの登録は不要で、Azure の利用料もかかりません。環境の使い勝手を確かめてから、続けるかご判断ください。
2025 年 9 月に提供が終了しました。それまで Learn のモジュール内から無料で起動できた一時的な Azure 環境(Concierge サブスクリプション)は利用できなくなり、実機演習には別の手段が必要になっています。
合格自体は問題演習中心でも可能ですが、AZ-104 はポータル操作や設定値を問う問題が多く、実機を触った経験の有無が得点と学習効率に大きく影響します。また資格取得後の実務を考えると、演習環境はどこかで確保することをおすすめします。
30 日間に演習を集中させれば、金額としては十分足ります(VM や VNet の演習で $200 を使い切ることはまずありません)。ネックは金額より 30 日という期限です。学習期間が 1 ヶ月を超える場合は、クレジット終了後の手段を先に決めておくと安心です。
最低限、Cost Management で予算(Budget)とアラートを設定し、演習用リソースは専用のリソースグループにまとめて作成し、終わったらリソースグループごと削除する運用にしてください。ExpressRoute や Firewall など時間課金の大きいサービスは、作成前に価格を確認する習慣も重要です。
※ 本記事は 2026年8月時点の情報です。Azure 無料アカウントの特典内容・各サービスの価格は変更されることがあるため、 実際の登録・設計時は Microsoft の公式情報をご確認ください。Microsoft、Azure は Microsoft Corporation の商標です。