【正解】B
【0からの解説】
①前提知識:Storage Transfer Service(STS)は、他クラウドやオンプレミスから Cloud Storage へ大量のデータを転送するマネージド サービスです。オンプレミスのファイル システム(POSIX ファイル システムや NFS など)から転送する場合は「エージェント ベースの転送」を使い、オンプレミス側のマシンに転送エージェント(Docker コンテナ)をインストールします。エージェントは「エージェント プール」という単位でまとめて管理され、エージェント プールには帯域幅の上限(bandwidth limit)を設定できます。上限はプール内のすべてのエージェントで共有され、転送に使うネットワーク帯域を一定以下に抑えられます。また、転送の再試行・整合性チェック・ログ記録・スケジュール実行などを STS が管理します。
②要件と制約語の整理:(a) オンプレミスのファイル サーバー上の 5 TB、(b) 使用帯域は最大 250 Mbps まで(ネットワーク運用チームの必須要件)、(c)「オンライン移行」(ネットワーク経由。物理デバイスの配送ではない)。なお 250 Mbps で 5 TB を転送すると約 2 日弱で完了するため、オンラインで十分現実的な量です。
③正解の理由:STS のエージェント ベース転送はオンプレミスのファイル サーバーからのオンライン転送に対応しており、エージェント プールの帯域幅上限を 250 Mbps 相当(コンソールでは MB/s で指定するため約 31 MB/s)に設定すれば、運用チームの制約を確実に守りながら移行できます。大量データの転送を再試行や検証込みでマネージドに行えるため、Google が推奨する方法です。
【誤りの選択肢】
A:--daisy-chain は、クラウド間(例:別プロバイダのバケットから Cloud Storage)でコピーする際にデータをローカル経由で中継するためのオプションで、帯域幅を制限する機能ではありません。250 Mbps の上限を守る仕組みがなく、要件を満たしません。
C:Transfer Appliance は物理的なストレージ デバイスにデータをコピーして Google に配送する「オフライン」移行の手段です。問題文は「オンライン移行」を求めており、5 TB 程度であれば 250 Mbps でも数日で転送できるため、アプライアンスを使う理由もありません。
D:--no-clobber は、宛先に同名のオブジェクトがすでに存在する場合に上書きしない(スキップする)ためのオプションで、帯域幅の制限とは無関係です。250 Mbps の上限を守れないため要件を満たしません。
【参考】
ファイル システムから Cloud Storage へ転送する | Storage Transfer Serviceデータ転送オプション | Storage Transfer Service